【思い出の装丁_29】でございます。
まだ….続けます^^
今回の本は、
料理上手コツのコツ ひと味違う素材選びとシェフ直伝の裏ワザ満載
家事・整理コツのコツ お部屋を手早く美しく片付ける裏ワザ満載
ともに2000年 KKベストセラーズ刊
思い出の装丁_KKベストセラーズ_1
思い出の装丁_KKベストセラーズ_2
こちらの文庫本は、ワニの役立ち文庫として
担当させていただいた10冊程のシリーズ。立ち上げの2冊でした。
背デザインは統一フォーマットを作成、
表1側は1冊1冊ゼロベースでデザインする形に。
ただこの2冊はシリーズのつかみとして同じスタイルで表1も製作してます。
デザインに関しては、
実用的内容の文庫本ということもあり
書名は大きくドン!と配置して目立たせてはいますが、
それにも増して…装画….上杉忠弘さんの
イラストレーションがすべて(存在感)!
と言っても差し支えないと思います。
現在、世界的にご活躍されているイラストレーター様です。
この記事と同じく、ボクが一人で突っ走り気味に
上杉さんを推薦させていただいたのですが
たまたま編集様が氏と過去にお仕事されたことがあり、
そのツテでお引き受けいただいたと記憶しております。
2000年当時も相当売れっ子でいらっしゃったので
「引き受けていただけないかも」と半ば諦めておりましたが…。
編集者のT様(T口さん、T場さん)に感謝しております。
↓当時の色校正がキレイなまま残ってた!
オリジナリティに溢れかつファッショナブル、
細部にまで神経の行き届いた表現・描写、構成、モチーフ選択など
お洒落イラストレーションの源流の一つではないかと。
納品は、手描き原画ではなくデータ(MOディスク)でいただきましたが、
装画データを扱いながら粗相があってはいけないと
独りで緊張しておりました。
(データなのにも関わらず)
思い出の装丁_KKベストセラーズ_3
思い出の装丁_KKベストセラーズ_4
ちなみに、上杉さんは
2009年に公開の『コララインとボタンの魔女』で第37回アニー賞最優秀美術賞を受賞。
2014年公開のディズニー映画『ベイマックス』ではコンセプトアートを担当されています。
どんな分野でも同じかもしれませんが、
突出される方達は何が違うのだろうかとよく考えます。
才能といったらそれまでですが、数多いる同業者の中から選ばれる理由…
それは微差のような気がしてなりません。
ただその「微」がとてつもなく大きいのではと思うのです。
答えはずっと出ないままかもしれません……精進するのみです。