【思い出の装丁_72】でございます。
 
さて、今回の本は、
 

感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ
2005年 ダイヤモンド社刊

 
四六判、416頁、上製造本
こちらの記事でも登場している書籍です。
 
 
ダイヤモンド社様との仕事_1
ダイヤモンド社様との仕事_2
ダイヤモンド社様との仕事_3
 
 
この本をはじめ、下画像のように脳に関する装丁仕事は多く、
時を重ねるごとに出版点数も増えているのではないでしょうか。
 
↓2006年〜の仕事群。
岩崎学術出版社、KKベストセラーズ、主婦と生活社、講談社、PHP研究所、
朝日新聞出版、大和出版、日本経済新聞出版社刊。


 
以下、本の内容紹介より引用、
 
米国の著名な脳科学者である著者が、
多くの脳障害・損傷患者の研究から導き出したのが、
身体反応(=情動)を脳が受け取り感情を生みだすという考えです。

 
これとほぼ同じ考えを持っていたのが、哲学者・スピノザでした。
本書は最新の脳研究とスピノザの哲学的思考がどのようにリンクし、
同一の考え方に至ったのかを説いた一冊です。

 
ここまで。
 
 
本書は、あのアントニオ・R・ダマシオさんの著書です。
脳科学者の考えと哲学者の考えがほぼ一致というところが非常に興味深かったです。
その際こちらの装丁仕事を思い出してました。
 
 

複雑系を超えて 1999年 アスキー出版局刊
 
 
科学読み物も仕事としてはとても好きな分野ですね。
(ただ機会があまりない^^;)
 
 
本書は20年近く前の本になり、
一般書としては高額な部類ですが
ロングセラーで何度も版を重ねており、
近年でもいまだにレビューが付くほどですね。
 
 

 
 
装丁に関しては、
脳(人体)ビジュアルと書名の明朝体。
これらをメインで固定してしまって、他箇所を
後で合わせバランスをとっていったデザインです。
 
明朝体は、游築初号かなフォントですね。
写植でいうところのかな民友明朝に近い書体。
昔から好きな書体です。これに見出し明朝漢字と合成させてます。
 
『感じる脳』「じる」という字はこれしかない。
と妙に拘ってました。文字フォルムに独特の強さがあると思います。
 
 
付き物紙資材は、
カバー:コート紙 グロスPP加工、帯:OKミューズガリバーリラ OPニス引き
表紙:NTラシャ、見返し:STカバー、別丁扉:あらじま

となっております。
 
 
ダイヤモンド社様との仕事_4
ダイヤモンド社様との仕事_5
ダイヤモンド社様との仕事_6
 
 
また、脳に関する本といえば、
こちらの仕事もありました。
 
 
はだかの脳 脳科学の進歩は私たちの暮らしをどう変えていくのか?
2007年 アスペクト刊

 
四六判、234頁、上製造本
編集者・T様との仕事になります。
氏は現在、出版社を立ち上げられておりますね。
 
 

 
 
アスペクト様との仕事_1
アスペクト様との仕事_2
 
 
以下、本の内容紹介より引用、
 
大ヒット『脳トレ』著者リチャード・レスタック最新作!
あなたの脳は気づかぬうちに操られている!

 
脳に関するさまざまな測定データを、
経済・政治・人々の暮らしといったあらゆる分野に応用し活用する
「ニューロソサエティ(神経社会)」が、もう目の前まで迫っている――。

 
本書は、社会神経科学の可能性を探りながら
将来のニューロソサエティの抱える問題について
警鐘を鳴らす脳科学ノンフィクションです。

 
ここまで。
 
 
脳研究者・池谷裕二先生の装丁仕事_1
脳研究者・池谷裕二先生の装丁仕事_2
 
 
↓本書は、このように図解等作成も担当。懐かしい〜〜

 
 
当時、アスペクト刊行の『脳トレ』という書籍が
ベストセラーで(デザイナーは別の方)その関係もあり
著者・リチャード・レスタックさんの出版権利を所有なさり、
T様がご担当という背景だったと思います。
 
書名箇所は作り文字で個性を出しております。
そして、それに目がいくように目立つように
白地基調でスッキリしたデザイン構成です。
 
造本は角背の上製本
(通常は特に指定しなければ丸背。頁数も関係する)
 
 
付き物紙資材は、
カバー:OKミューズガリバーエクストラ マットPP加工、帯:ミラーコート・プラチナ
表紙:アラベール、見返し:NTラシャ、別丁扉:ミラーコート・プラチナ

となっております。
 
 
振り返ると、数々の脳本装丁の仕事をさせていただいてますが、
いまだに脳に関する本が多く出版されるのは、
我々の一番身近に存在するのに完全究明しきれない
永遠の研究テーマだからなのでしょうね。

 
 
感じる脳:装丁担当
はだかの脳:装丁、本文デザイン担当