これは、自分のなかでターニングポイント(大げさな^ ^)となった装丁です。
『「複雑系」を超えて』アスキー出版局刊(1999年)
IBMと大腸菌は同じやり方で世界を見ているという(!)…
『ワイアード』誌編集委員である著者が挑んだ問題作。
 

747頁の大部!透けそうなくらい薄い本文用紙を使っても束幅が40ミリ弱ある厚い本。
カバーも黄ばんできて….過ぎた時間を感じます。

 
装丁に関しては、編集様から本文にある図版よりビジュアル的に使えそうなモチーフを
チョイスしていただき、それらをデザインに絡ませております。
 
書名「複雑系」のカッコ箇所、0.3ptの細ケイで文字付近ギリギリに配置しているところが、
なんというか…(自分の中で)時代を感じるデザインです。

 
……………

20代はイラスト業とデザイン業半々くらいの活動でした。
どっちかに絞っていきたい思いがあった時期。
どうしよう…か…その迷いを吹っ切ったひとつがこのお仕事。
装丁の話が来た時に、もじもじしてた自分の背中を押してくれた編集様、感謝に堪えません。

 

こういう科学読み物系のデザインも好きだったので入稿後には達成感に包まれ、
それがデザイン業に比重を置いていく動機に変わっていったのです。

 

装丁、本文デザイン担当。