岩崎学術出版社様の新刊単行本です。

A5判、220頁、上製造本

精神分析における大家、松木邦裕先生
(医学者、精神科医、精神分析家。京都大学名誉教授)の単著でございます。

 

松木邦裕先生本の装丁仕事_1
松木邦裕先生本の装丁仕事_2
松木邦裕先生本の装丁仕事_3

 

以下、本の内容紹介より引用

 
 
ひとが生きて存在し,誰かと関係を作り始めるとき,
そこに転移現象は生まれています。
けれどもその転移は,日常生活では複雑な人間関係が含む
多彩な現実的なやり取りに紛れ,かすみのように漠としたままです。
転移を見出すには,
それを明瞭な輪郭で浮かび上がらせる確固とした枠組みが必要です。
本書は,精神分析という最も堅固な枠組みの中に現れる
転移の実体を改めて問うものです。

 
目次
 
まえがき
 
イントロダクション:転移再考
 
プロローグ:どうしてそれは転移なのか
転移と不安

 
第1部 精神分析家たちと転移
第1章 フロイトが描いた転移
第2章 クラインの転移論と逆転移
第3章 ジョセフと現代クライニアンの転移と逆転移
第4章 ウィニコットの転移
第5章 ビオンの転移論

 
第2部 私的な転移論:転移の要素
第1章 転移現象を考える
第2章 転移を構成するもの:行為,物語り性,象徴
第3章 転移の起源:思考
第4章 現象としての転移:転移の実在化

 
第3部 転移からの技法論
第1章 転移が導く精神分析過程:破局の出現
第2章 転移の取り扱い:分析空間における転移の感知法
第3章 二つの技法をどう使い分けるのか,切り替えるのか,どちらかだけで行くのか:共通点と相違

 
文献
長めのあとがき
索引

 
 
 
ここまで。
 
 

岩崎学術出版社様との仕事_1
岩崎学術出版社様との仕事_2

 
 
精神分析での転移とは
過去に体験した人間関係のパターンや
特定の他者に向けていた感情が、
現在の関係に表現されることを「転移」と呼ぶ。
とのことです。
 
 

装丁に関しては石黒裕太さんが撮影された
ライオンの写真素材をご用意いただきました。
それを全体にではなくワンポイント的に使用させていただく方向性で。
 
他はデザイン的に余計なことをしないで
書名等の文字を置いていくシンプルな構成です。
複数の案を作成し、採用されたのは上画像の装丁となりました。
 
これは以前デザインさせていただいた
こちら↓の装丁と基本は同じ考え方ですね。
 
 

『耳の傾け方-こころの臨床家を目指す人たちへ』2015年刊

 
 
岩崎学術出版社様との仕事_3
岩崎学術出版社様との仕事_4

 
 
また、松木先生の関連書は当ブログ開設前からも
複数デザインさせていただいております。
 

 
ひいては岩崎学術出版社様と、
もっと言うと編集者・H様との仕事の道のりということになると思います。
大変たいへん光栄なことでございます。
 
 
岩崎学術出版社様との仕事_5
岩崎学術出版社様との仕事_6
 
 
精神分析という最も堅固な枠組みの中に現れる
転移の実体を改めて問われた松木邦裕先生の単著。
ぜひ、多くの方の元へ届かれることを願っております。

 
 
9.26頃発売予定
装丁担当