【思い出の装丁67】でございます。

今年の夏は例年にも増して暑いっ……ということで
夏休み企画第2弾で、心霊モノを取り上げてみます。

とはいうもののガチの心霊ではなく霊山本です。それの事典。
束幅、厚いです。

 

日本の霊山 読み解き事典
2014年 柏書房刊

四六判、619頁、上製造本

 

柏書房様との装丁仕事_1
柏書房様との装丁仕事_2
柏書房様との装丁仕事_3

 

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日本人が古来より神が宿る山として崇めてきた霊山や、
修験の場としてきた霊場。アイヌの霊山から、富士山、
沖縄のウタキまで究極のパワースポット「霊山」の歴史と文化を解説

◎出羽三山、富士山、大峰山、恐山、男体山、御嶽山、
立山、石鎚山、英彦山、アイヌの霊山、高尾山、三輪山、
雲仙岳、屋久島、沖縄のウタキ、八甲田山、三原山、
大文字山、霧島山など、全国150の霊山を紹介!

◎山容、来歴・伝承・寺社・信仰・史跡などを詳説!

目次

第一部 霊山―山岳信仰の歴史 霊山と修験道
霊山と登山

第二部 全国の霊山
北海道・東北 28か所
関東 26か所
中部 30か所
近畿 33か所
中国・四国 14か所
九州・沖縄 21か所

索引
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装丁に関しては、
内容的には霊山に関する事典ということから
表1全体に霊山写真を敷き、窓を作り太めの明朝体で書名を組む。
または窓無しで白抜き明朝体を大サイズで配置。
といったデザインが、まず浮かびました。

その装丁案も作成してみましたが、
普通すぎてあまり面白くない。
(スタンダードが適する場合もあります)

 

どうせなら違うタイプのものを推したい。
ということでゴシック体で書名大きく、
上部にはイラストレーション(霊山の尾根イメージ)を配置。
全体には白っぽい装丁を目指してみました。

書名サイズが大きいので、
帯ネームは小サイズで差をつけてあります。
間違う事はないと思いましたが、ビジネス書に見えないように。

熱意が伝わったのか^^
編集担当・Y様もその意図を汲んで下さり採用となりました。

 


付き物紙資材は、
カバー:ヴァンヌーボV マットPP加工、
帯:パミス OPニス引き、見返し:STカバー
表紙:アラベール、別丁扉:あらじま

になります。

 

また、同版元でほぼ同時期仕事として
このような本もありました。

 

悪いけど、日本人じゃないの
2013年 柏書房刊

四六判、276頁、ソフトカバー

 

日系ブラジル人の辞書編集者兼異文化エッセイストの
日向ノエミア先生のエッセイ本です。

 

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スーツケースひとつで50年も前に単身で日本に来た日系ブラジル人。
「どうして日本人ってこうなの?」
「日本人ってここがオカシイ!!」
理解できず、とまどいつつも、月日の中で育まれていった日本人の心。
いまや立派にどこから見ても日本人のおばあちゃま。
でも、いまだからノエミアさんは伝えたい、
「悪いけど日本人じゃないの。だからこそ日本人が大好きなの」

目次

はじめに簡単自己紹介
遠い国ブラジル 遠い国日本

第1部 ブラジル発、日本文化の再発見
第2部 沈黙のコミュニケーション
第3部 「悪いけど、日本人じゃないね」と言われて
第4部 ちょっと間違えてみませんか?

終章 美しき悟り 笑いと悲しみの融合
おわりに

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エッセイ本の装丁仕事_1
エッセイ本の装丁仕事_2
エッセイ本の装丁仕事_3

 

装丁に関しては、中心部にあるイラストレーションをご用意いただき
ワンポイント配置。サイズ大での扱いではないかなという事で、
文字中心の印象で構成してあります。全て中ゴシック体。
帯は動きを出して躍動感、楽しげな雰囲気を加味してあります。

 

現在でしたら、また違うデザインがいくつか浮かびますが、
当時はこれで良いと思ってたと回想します。
時代で変化していくところが装丁の面白さでもありますし、
個人的にもマインドが変わってきているのではと感じます。
(退化でないとよいのですが。笑)

 

付き物紙資材は、
カバー:ヴァンヌーボV マットPP加工、帯:アラベール OPニス引き、
見返し:NTラシャ、表紙:アラベール
になります。

 
2冊とも装丁担当。