岩崎学術出版社様の新刊単行本です。
西村馨先生編著、他16人の先生方が執筆された
メンタライジング臨床に関する考察書。
A5判、224頁、本文横組。
以下、本の内容紹介より引用、
日本の臨床家が児童,思春期・青年期およびその家族のための
メンタライゼーションに基づく治療(MBT)や
メンタライジングの理論と方法をそれぞれの現場に持ち込んで挑戦した
臨床実践の報告と考察の書である。
各自の現場で解決すべき課題に対して,
どのようにメンタライジングの理論と方法を適用できるのか,
独自の手法を作り出しうるのか,またその成果はどうかを検討したものである。
それが副題の,「取り組みの第一歩」の意味である。
私たちは,それが読者の方々にMBT,メンタライジング・アプローチのイメージを与え,
理解を深め,実践への意欲を喚起することを願っている。
目次
第Ⅰ部 メンタライジングを臨床に生かすとは?
第1章 MBT理論の概観――いまどきの子どもと親のためのメンタライジング
第2章 子どもと家族のためのメンタライジング臨床の基本的枠組み
第3章 MBTのアセスメント
第Ⅱ部 実践編①子どもへの支援
第4章 子どもの一般診療におけるメンタライジング・アプローチ
第5章 心で心を思うこと――児童相談所におけるメンタライジング・アプローチの実践
第6章 児童期・思春期のグループセラピー
第7章 児童養護施設で子ども–職員間の愛着を育てる
第8章 スクールカウンセリングにおける自傷行為をする生徒への支援
第9章 小学校特別支援教室でのチーム支援
第Ⅲ部 実践編②養育者への支援
第10章 家族のためのメンタライゼーション・セミナー
第11章 親のメンタライジングを高める心理教育グループの試み
第12章 母親のグループ――孤立と認識的信頼の途絶からの回復
第13章 メンタライジングに基づく親と子の関係性改善プログラムの作成
第Ⅳ部 子どものMBTに期待すること
第14章 メンタライジング理論の児童精神科臨床へのインパクト
第15章 児童養護施設でのMBTの実践に向けての課題
付録 日本におけるメンタライジングの測定ツール開発の現状と課題
ここまで。
心理臨床界隈の新しい潮流として話題の「メンタライジング」の
日本の臨床現場での実践例をまとめたこれまでにない待望の書とのことでした。
装丁に関しては、子どもへの臨床の本なのですこし柔らかさのあるデザイン。
が欲しいとのご要望であとはお任せ。
心地よいプレッシャーの中でデザインを作成させていただきました。
今回のデザインは専門家(とその周辺の方々)が読まれる書籍ですので
柔らかいといっても行き過ぎない
「品のある柔らかさ」というキーワードを
頭に入れて、ポン!とアイデアが浮かぶまで待っていた感じです。
そしてヒラメキで出てきた案をMAC上で調整した経緯。
(エスキースはあまりしないタイプです)
その中でも書名にある実践そして特に中黒も色変えしてるところは
拘ったポイントの一つですし、大面積に敷いたグラデーションの印刷も
キレイに再現されないと意味がないため若干心配しておりましたが
すこぶる良い仕上がりでホッとした次第です。
それから、本完成までの過程で
編著者の西村馨先生とも何度かSNS上で関わらせていただく事ができ
大変たいへん光栄、恐縮至極でございました。
今までの仕事群を少しでもご評価いただいているというのは
長年継続してきて本当に良かったなと感慨一入。
何より完成した装丁を喜んでいただけたご様子で
安心(2回目^^本音)いたしました。
この本が多くの方の手に渡り、
メンタライジング・アプローチへの理解が深まるとともに
実践への一助となることを願っております。
ぜひにご高覧いただけたらと思います。
9.16頃発売予定
装丁担当