ボクが仕事の中心としているブックデザイン。
これはデザインのカテゴリでいうと小型グラフィック
という範疇にはいると思います。他にはパンフレット、
化粧品やお菓子などのパッケージ、ポストカードあたりは
それにあたりますね。
大型グラフィックは、駅に貼られているでっかいB全ポスターや看板、
車・バスを覆うカーラッピングデザインなどの
街で多くの人の目に触れるような意匠と考えて
良いと思います。
で、特に小型グラフィックでは
特殊印刷・加工というものが施される機会が多いです。
面積的にも施工wwしやすいのですね。
例えば、
・箔押し
というのは割と耳にした事があるかなと想像します。
あのピッカピカした印刷(加工)です♪
フィルムに金属を蒸着したロール状のメタリックホイルを、
銅などで作られた金属板で熱と圧をかけて、熱圧着させているので
ホットスタンプとも言われています。
業界では『村田金箔』という会社の見本(帳)がスタンダード、
金箔の種類だけでも微妙な色違い、ツヤあり、なしなどで
10種以上のバリエーションがありますね。
(金、銀ばかりでなく色箔、レインボー箔もあります)
⇂⇂⇂シャインフェイスという光る紙に金箔押しイラスト。
帯は、見えにくいですがトランスタバック(キラキラフィルムをPP加工)を加工。
実に贅沢な施し。編集様に深謝!
ボクの仕事:装丁でも特殊印刷のなかでは
一番使われますね。
その面が光るので、グッと存在感が増し、
高級感も出ます。
⇂⇂⇂赤箔を加工した例。面積は大きくはないが効果的。
ここの出版社の引き寄せ本は箔押しが多い。それを踏襲した。
箔は面積が狭いほどメタリックホイルの使用量も
少なく、また版代もコスト安になりますが、
例えば、インキは1色にして金など箔押しを使う。
これでもコストは抑え気味にしながらも
インパクトのあるデザインは可能だと思います。
そのあたりを鑑みて案を提示するデザイナーは視野が
広いと言えるんじゃないでしょうか^ ^
小型グラフィックのなかでも化粧品系はイメージが特に重要なので、
箔押しを筆頭に特殊印刷の凝ったものが数多く見られますね。
そういう視点で世に出回っているものを見直してみると
またオモシロイと思いますよ〜♪
⇂⇂⇂黒箔押しも強いイメージになる。副題が通常黒インキ。差が歴然。
⇂⇂⇂マット黒インキを全面に敷き、英文字をツヤあり黒箔押し加工。
同じ黒でも質の差をつけた。黄色の人物シルエットでアクセント。
特殊印刷・加工といえば他にも、
・マットインキ
・蛍光インキ
・メタリックインキ
・オペークインキ(白色に代表される不透明インキ)
・トランスタバック(ホログラムフィルムを貼り付ける加工)
・エンボス加工(型(空)押し)
・型抜き(型をつくり紙をくり抜く)
などなど、
通常のフルカラー印刷とはまた違う魅力が得られます。
その効果がハマればとても強く、
特長のあるデザインができます。
カッチョええ的なネ(* ̄∇ ̄*)
⇂⇂⇂クラフト紙に白色オペークインキ。タイトルは黒箔押し。
これも結構コスト高^ ^絵も担当させてもらった。
⇂⇂⇂赤い文字部分がバーコ印刷。熱を加え盛り上げる。
インキは赤と黒のみ。加工で存在感を増した。これは編集様のご提案。
特殊印刷∙加工はデザイナーとしても大変面白い試みで
ワクワクしちゃいますが、
例えば書籍カバーで型抜き加工をした際、
書店に置かれると破れなど商品としての問題に繋がる確率が高いです。
平積みされ少しでも雑に扱われたりすると折れてしまったりと….。
なので、増刷時からは通常印刷にしたり。
といったことも経験があります。
⇂⇂⇂左:本体表紙とaの文字を型抜きしたカバー。右:カバーをかけると
穴から表紙の英数字が顔を出す。これで表1の顔となる^ ^
一方でPP(表面にフィルム貼り)加工してから型抜きするのではなく、
型抜きしてからPP加工した書籍カバーをたまに見かけます。
そうすると紙折れは発生しません。
透明フィルムなので型抜きした箇所も透けて見え効果も出ます。
これはデザイナーが耐久性も考え、経験から出た加工方法だろうな、
と感心してしまったケースです。
⇃⇃⇃この本、『IDCS』文字部分が型抜き加工。その後にPP加工。
流通で折れが出ない。オレンジは表紙本体の色。
ただ楽しい!だけでは済まされないこともありますね。
意匠のことだけでなくコスト、流通のことも念頭におき、
なお面白いデザイン加工。
これができたら最高なんです。
そして、そこまで考えるのが
プロ中のプロなんだろうなと思ってます^ ^
⇂⇂⇂もっと詳しく特殊系を追求したい方にオススメ本。
シリーズ30以上のラインナップ
ではでは、今日はこの辺で。