仕事柄、ボクは紙とは
切っても切れない関係にあります。
(それこそ!紙だけに)
電子書籍はまた別ですが、
書籍やポスターなどは紙という
存在ぬきには語れません。

 

特に本のカバー・帯・表紙・扉に
どんな銘柄の紙を使うか、
デザインによっても変わりますし、
本の内容に適した紙質もあります。

 

カバー(表紙)⇀見返し⇀扉

「本文に入っていくストーリー作り」
とボク自身は呼んでますが^ ^
色・模様・質感など実はそれなりに考えてるんです。

 

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書籍でいう表紙は本体と一体になった一番外側の厚紙。
それにかかってる紙(装丁デザインされてる紙)をカバーと呼びます。
そしてカバー類に使用するような高級(色)紙系を
ファンシーペーパーといいます。
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とはいえ、コストを一番削りやすいのも
このような資材面からでもあります。
そこは否めません。

10年前と比べると、たしかに選べる銘柄範囲も
多少は狭くなった感はありますが、
それでもまだまだ選択を楽しめる余地はあります。

 

「楽しむ!」という感覚が大事だと思ってます。
その姿勢は見る側、買う側に伝わると思ってます。

 

で、印刷する紙によって、
デザインの印象ってかなり変わります。
発色が良いのは当然理想ですが、時には意図的に
色が沈む(馴染む)ような紙を選ぶこともあります。

微妙に、色よりも全体の雰囲気、感触を優先しちゃうこともあるんです。

 

書店で選ぶ側が、

クールで繊細、めっちゃカッコ良い!

とか

暖か~い手触り感でなんだかホッとする~。

とか

なんだか不思議な触りごごち。気持ち悪い~(冗談です。笑)

とか

手に取った人の五感に響いてくるはずです。
その質感、触感をもデザインの一部になってるわけです。
それが潜在的に購入に繋がってる場合もあり得ます。

 

フリーランスでデザイナーを始めてから、
自然とお付き合いが出てきた紙商社・紙メーカーも
新銘柄が発売されると、短冊状の見本や
アイデアを凝らした印刷見本を送ってくださいます。

 

紙の魅力を伝えるために創意工夫を凝らした見本が実に多い!

 

⇂⇂⇂紙商社、平和紙業様からいただいた紙見本。
最近よく使わせてもらう「ICHIMATSU」
お気に入り!バンバン使わせてもらってます。

3043

エっ、こんな一介のデザイナーにまで送ってくださるなんて….
なんだか恐縮しちゃいながらも、
ありがたく……いただいております。

 

おNEWなもの(死語)は使いたいですしネ。

 

しかし個人デザイナーとはいえ、
例えば数十万部ヒットの本をデザインした際に
その紙を使用していれば、
増刷するたびに紙が出荷されていくのです。
つまり売り上げが増える!

 

たかが、一(イチ)デザイナー、されど一デザイナーなんです。
そのデザイナーがその紙を知っていなければ使えません。
企業様はそこら辺をものすごく分かっていらっしゃいます。
(エラソー!^ ^)

 

質問をすれば、ご返答・細かいアドバイスもいただけますし、
ボクがお世話になってる紙商社、メーカーの方々は
いずれの担当者も「紙愛」が伝わってくる。
そして誠実で丁寧。という印象が強い。

 

もちろん、お仕事としてやられてるんでしょうが、
心底、紙好きの方が多いという印象。

紙好きに悪人はいねえだろっ。
なんて思ってます。

 

長くお付き合いのある特種東海製紙様は、
年末になると毎年画像のようなカレンダーを送ってくださいます。
CD(サイズ)ケースに各月色違いの紙。

tokushu

それもすべて玉(日付の数字)のレイアウトを変え、
白オペーク(不透明インキ)や銀特色インキで印刷されてたり、
アイデア満載、実に楽しめます。

 

なんといっても月数字は型抜きですからね。

 

カッコいいっ!

 

紙はTANT(タント)という銘柄。
1987年発売。
四六判Y目(1091×788mm)で斤量70キロ、100キロのものは
131色ものラインナップがあります。
(ちなみに斤量のキロ数は紙1000枚の値)

 

30年の歴史ある紙ですが、
ボクもよく使わせてもらってます。
色数が多いし、手触り感も良いので
表紙・見返し・扉など何にでも使えますね!

 

メッセージカードのデザインもイカしてる!
銀箔押しストライプが効いてます。

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そして、紙商社の竹尾様からも2018年のデスクダイアリーも
いただきました!毎年思うのですが、もうこれは作品、写真集じゃないかっ!
使うのもったいなくなる!

takeo

奥付には、すべての紙銘柄(どこに何の紙を使ってるか)
が掲載されており、イメージとデータ(抽象と具体)が一致していきます。
これは今後のデザイン活動に活かせる糧となるわけです。

 

画像でうまく伝わるかどうか心配ではありますが、
スリープ(箱)、表紙、見返し、本文紙……
もうボクから見たら贅を尽くした造本。

 

今回のテーマは「ARTISAN フランスの伝統と革新」
だそうで、表紙にはエングレービングというヨーロッパを起源とした
印刷技術。一枚、一枚に銅板印刷を施した紙が貼られています。
触ってみると細かい線の一本一本の隆起を感じ取ることができます。

 

実に繊細な造り!
これを触るだけでも得した気分になれるんです。

 

神っ、いや紙の力(チカラ)を借りて幾年月….
それはデザイン自体に偉大なるパワーを与えてくれるのです。
もう紙見本に足を向けて眠れませんヨ^ ^

ではでは、今日はこの辺で。