【思い出の装丁66】でございます。
梅雨明けで猛暑続きがまたやってきそうですが…
今回は夏休み企画(?)で、心霊モノを取り上げてみます。
不思議な力を持つ私 ある女性霊能力者の半生
2001年 KKベストセラーズ刊
四六判、上製造本
奥付を見ると刊行月は8月になってます。
装画メインの装丁仕事_1
装画メインの装丁仕事_2
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お父さんにも、あれが見えるの!?
教えてください、この力を捨てる方法を…。
望まぬ力を手にした少女が味わった深い孤独と恐怖の日々、
そして波乱の半生を告白したノンフィクション。
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装画メインの装丁仕事_3
装画メインの装丁仕事_4
副題にもありますが、
内容は、ある女性霊能力者のノンフィクションです。
ノン…フィクション…..です。
雰囲気バッチリの装画は、
10代からの友人でもあるオサダ洋之氏にお願いいたしました。
氏はイラストレーター専業ではありませんが、
基礎をがっつり学ばれているのでデッサン力が高く、
リアル系(幅はありますが)のイラストで、
装丁ビジョンが明確な場合にお願いしておりました。
装画イメージとしては「バック暗めで。少女(小学5年生位)がボァ〜と佇む」感じ。
本文ゲラを読んでいただき、
先に書名を入れたラフデザインを見てもらった記憶があります。
装画依頼の際、主旨をお伝えし、
何も提案せずに自由に描いていただく場合と、
(装画なし)デザインを先にご覧いただき
ある程度イメージを固める場合、
ケースバイケースであります。
そんなこんなで、
オサダ氏は、この時も素晴らしい装画を仕上げてくださりました。
バック濃色は単調なブラックではなく、多数の色が混ざった深い色。
またそれが霊的な何かを感じさせるようにも見えますね。
パール系紙を使用した仕事_1
パール系紙を使用した仕事_2
↓表紙、扉の紙はパール系ポップセット
デザインについて、
書名の明朝体は、定着感優先で
写植文字をデータ化し枠線で厚みを出しボカし
コントラスト強く仕上げました。
帯デザインはごくシンプルですが、
(時代もありますが)現在でしたら全く違うデザインにすると思います。
もったいないゾ。当時の自分!とツッこみたいです。
紙資材は、
カバー:コート紙にグロスPP(特色銀含む5C印刷)
帯、表紙、別丁扉:キュリアス ポップセット
見返し:NTラシャ(おそらく)
で、特に表紙、別丁扉はパール系紙、
光る紙上にインキが乗り、怪異な雰囲気をより醸し出しております。
こういう読み物系の仕事も実に楽しいですね^^
最後に、
オサダ君。近年はちょっとご無沙汰しちゃってるけど、
お仕事、またお願いいたしまーーす。