明けましておめでとうございます。
今年もお仕事させていただける喜びに浸りながら、
感謝を忘れずデザイン仕事に邁進できればと思っております。
さて2023年第一弾の記事は
【思い出の装丁_32】でございます。
日本企業のガバナンス改革 なぜ株主重視の経営が実現しないのか
2003年 日本経済新聞社刊(現:日本経済新聞出版)
四六判、237頁、上製
20年前の本になってしまったのか…とビビリました^^
本の内容は、
経済再生のカギは規律ある企業経営の確立にある。
日本企業のガバナンスの現状と改革の方向を、
経営、財務の両面からの大規模な調査で解明。
新たなガバナンスの担い手、企業タイプ別の改革を提示する本格的分析。
となっております。
装丁に関しては、
上製本ということもあり、
落ち着いた雰囲気でじっくり読み込めるような
ビジネス書の顔を目指しました。
装画は中山尚子さんの作品です。
以前、記事に書いた
のちょうど1年前の仕事になります。
HPで作品を拝見し
この絵を装画として使用させていただけないか交渉のうえ、
ご快諾いただいた経緯でした。
当時、中山さんの作品群は小説分野にはもちろんのこと
このようなビジネス書にもふさわしいのではと思っていたのです。
2棟の楼閣が雲に紛れ見え隠れしているシチュエーション。
本の内容を直接的に説明したような図柄とはまた違う、
意味を投影でき良い間ができたと思います。
今でも大好きな絵です。
タイトル書体は、写植文字をデータ化したもの。
当ブログでも何回も出てきているYSEM(新聞特太明朝体)です。
完成度高く綺麗な書体ですよね。
紙資材は、
カバー:ヴァンヌーボVG、帯:星物語(当時)、表紙:ボーンフリー、
見返し:NTラシャ、別丁扉:ヴァンヌーボVG
になります。
この本の装丁依頼もお任せでしたので、
完成したデザインは今でも気に入っておりますが、
一方でこれが正解なのかどうかの判断はなかなか難しいです。
もちろん編集様のOKをいただかない事にはデザインは世に出ないのですが、
製作する際、作り手が悩みすぎて
ブレブレですととても良いものはできないです。
このデザインでどうだ!のような気概で、のめり込んで製作しつつ、
でもどこか冷静で独りよがりにならない姿勢が大事かなと思います。
それがなかなか難しいのですけども…
デザインはコミュニケーション手段の一つですが、
編集様(著者様)ともしっかりコミュニケーションを取れないと
この仕事は長年続けられないよなあとよく感じます。
やはり、デザイン力(りょく)だけではなく
精進して人間力を高めていかないと。と思います。
今年のキーワードは、
どうやらその「人間力」になりそうです^^