【思い出の装丁】_17です。

 

『デジタルテレビ日米戦争 国家と業界のエゴが「世界標準」を生む構図
アスキー刊(2001年)

A5判、上製、460頁。
判型の大きさ+厚さで大変ボリュームがある書籍。

 

先日、こちらのリンク記事で昔の仕事を見直し、
そういえば!あの仕事もあったナ!という事で版元アスキー様繋がりです。
個人的にとても懐かしい。

 

本棚からデザインした本を取り出してくると
1冊1冊当時の思い出が
モノクロ映像に色をつけたように鮮明に蘇ってきます。

 

この頃、急に仕事(取引先)が広がり始めたなとか、
西新宿に引っ越して間もない頃の仕事だなとか、
初台までチャリで打ち合わせにいったなとか、
編集のK様、5コ歳上だったなとか。
ラフデザインをいろいろ言われて作らされたけど、
やっぱり最初の案が採用されたなとか(笑)

 

他人にはたわいもない事がいろいろと^^

 

装丁に関しては、本の内容が、

80年代中盤からの約10年間、
米国では次世代テレビの標準規格をめぐる激しい論争が繰り広げられた。
本書は、日米両国が絡んだその裏舞台を描いた衝撃のノンフィクション作品。

 

ということでノンフィクション分野。
(当時より)20年前の話題なので
素材にいただいた写真をセピア色に寄せて色調整し
時代を感じさせるようにしました。

 

写真の画角など実に装丁向きと惚れこみましたので
強引気味にこの案を通したい目論見でデザインした記憶があります。
(先に書いたようにこれに決定。有難かったです)

帯テキスト量が多くはないのでかなり迷いましたが
センターゾロエで秀英3号明朝体を使ってレイアウト。
その頃は秀3のデジタルフォントがまだリリースされていなかったかもしれません。
写植を打ってアウトライン抽出したかも。

この帯レイアウトが良かったのかそうでなかったかは現在でも迷ってます。
内容的には合ってると思ってますが。

 

↓束幅厚いです。背焼けが時の経過を感じます。

↓表紙。デザイン上細かい事やってるんだけどイマイチ伝わらない^^;甘い!

 
この思い出〜記事を書きながらよく思うのが、
現在いただいたお仕事だとしても充分恵まれた
(自分的には)良い案件じゃないか!
ということです。
若いから、ベテランだから依頼されるという仕事は、
実はさほどないのかもしれない。
有り難くもチャンスをいただいてた訳ですね。

 
当時、そのような自覚はなかったと思います。
後で振り返り感じることです。
 

ですので、
今進めているお仕事、これから頂くであろうお仕事。
1冊1冊を気を入れて丁寧にデザインしていかなければ!

と毎度、気を引き締めるのです。
 

そこに気づいただけでもこのブログを書き続けている意義があると感じています。