《今回は、装丁エッセイというより印刷エッセイ》

2019年になりました。
今年も家族で両実家へ帰省し、
お年玉をしっかりと….もとい、新年の挨拶をしてきました^ ^

 

そう、お正月というと年賀状。
この習慣も廃れつつあるのかもしれませんが、
ボクら家はさほど以前と変わりなくやりとりが行われています。

 

仕事用に関しては、今年はお知り合い全ての方にですと数が半端なくあるので、
1年間でお仕事をご一緒させていただいた方と同業先輩や友人に絞らせていただきました。
(届かなかった方いらっしゃったらスイマセン。。。)

 

自分は、仕事(事務所)用と自宅用と毎年2種印刷しています。
制作担当はまあ….お得意分野ではあるのでボクです。これも結婚してから
続けていますが、結婚する前….学生の頃から出すのも数十枚の頃から
印刷してました。(官製ハガキでなくオリジナルの年賀ハガキ)

 

ですので、ほとんど破棄するような形になってたのです。
(当時はフルカラーハガキ印刷もオーダーは500枚~の時代です)
しかも費用:数万円かかってたと記憶してます。

 

たかが年賀状になんで、そんなに勿体無い事を。。。。
と思われるかもしれませんが、

 

ただ、

自分のデザイン(イラスト)が印刷されるのが
楽しい!からです。それしかない。

格好つけたいとか、見栄え良くしたいとかではなく、
(あっ、ちょっとはあるか….^ ^;)

 

かれこれそういう行為をはじめ20数年経ちますが、
いまだに印刷が上がってくるのが楽しみ!です。
楽しくなくなったら年賀状作るのをやめようかとも思います。

そして、デザイン仕事もまったく同じスタンスです。

 

↓ 2019元旦。実家からの富士山!

 

ウチのカミさんのエピソードで恐縮ですが….
20代の頃、それはもうグラフィックデザイン業界のヒエラルキーでは
TOPに位置するデザイン事務所にデザイナーとして在籍してました。
(といっても見習い扱い数ヶ月)

 

ちょうど年賀状制作時期にもあたり、事務所代表から
「おい、◦◦。印刷代を出すから自分の年賀状をデザインしてみな。」
と指示に近い提案を受けたそうです。

しかも紙資材もヴァンヌーボかMr.Bあたりの高級紙でした。

 

カミさんはまったく意味が分からなかったそうです。

 

「?」

 

なぜ、数十枚しか出さない個人の年賀状を、
わざわざ数万円出して印刷するのかを。

 

「いやいや、自分の年賀状をフルカラー印刷なんて….けっこうです」
「何言ってるんだ!だから◎L根性から抜け出せないんだよ!」

 

と愛のムチをいただいたそうです。

「デザイナーやってるんなら、嬉しがって自分の作品を作り、
印刷したいだろ!印刷代を事務所が持つって言ってるんだよ。
規制のまったくない作品を印刷できるんだよ。本当にやりたくて
デザイナーやってるのか!」

というお言葉も。

自分の自由な作品をウハウハ言いながら作る意欲もないデザイナーが
多少とも規制のある仕事を楽しみ、力を発揮できるわけがないだろ!
そういう精神を持ち、続ける事が自分を大きくしてくれるんだよ。

という意味だと受け取ってます。ボク自身は^ ^

ちなみにカミさんは、口は悪いけど心根は優しいその代表を
すごく尊敬してたそうです。

 

惜しくもその高明なデザイナーはまだこれからという時期に
お亡くなりになってしまったのですが、
年賀状の季節になると、この印刷話と尊敬していたその方のお話になるのです。

 

 

心の底から「楽しい」から。
理屈じゃないです。

 

この感情を2019年も大事にして活動していこうと思ってます。

✴︎上大画像:2019年賀状。紙はA-プラン。インキを予想以上に吸ってしまい宛名面の印刷が重く…読みが甘かった…反省。