誠信書房様の新刊単行本です。
A5判、182頁、ソフトカバー仕様
ジョエル・パリス著、黒田章史先生・市毛裕子先生訳の本。
編集者・K様との仕事です。
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誠信書房様との装丁仕事_2
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以下、本の内容紹介より引用、
人生は逆境に満ちている。
それが深刻な精神病理を引き起こす可能性があるのは間違いない。
しかし同じようにトラウマを経験しても、
回復力=レジリエンスを発揮する人もいれば、何らかの病に陥る人もいる。
その違いはどこからくるのだろう。
トラウマの概念の漸動に警鐘を鳴らす著者は、
膨大な研究文献を検討し、抑圧されたトラウマ記憶、
幼少期の逆境体験とPTSD、トラウマ体験とパーソナリティ症、
等々に関する誤解を解いていく。
さらに生物・心理・社会モデルを用いて、
トラウマ的出来事がその人に与える影響の大きさの違いを、
性格特性、気質、社会背景といった視点から明らかにしている。
PTSDは、さまざまなリスク要因の相互作用によって生じる
転帰としてとらえる必要があるのだ。
PTSD治療において重要なのは、
患者が「犠牲者(victim)」ではなく「生き延びた者(survivor)」
として自分自身を捉え直し、
人生の主体性を取り戻すことへの支援である。
実証的エビデンスに基づいた、
患者のレジリエンスを育てる治療を目指す支援者の羅針盤となる一冊である。
ここまで。
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装丁に関しては、
訳者の先生方より、できれば白がメインのモノトーンでシンプルなイメージが理想、
トラウマだけど怖くないイメージ、レジリエンスの希望を感じさせるもの
がご要望でございました。
本書のデザインを始めた頃はちょうど暑くなりかけでしたし、
白地の方がスッキリとしてて手に取るたくなるよなぁという思いもあり、
白地デザインをご提案(薄め地色も含めながら)。
レジリアンスの希望(前向きな感じ)は、
彩り鮮やかな感じをどこかで使用したいが
柔らかすぎにはしたくない。というところで絵の具で描かれた
絵画の一部(テクスチャーと深み)を矩形で切り取った形を配置。
このあたりは求めているイメージと感覚のニュアンスが要でしょうか。
けっこうバランス感覚が問われるところかもしれないです….
(大丈夫かしら…)
↓見返し紙、STカバーの群青色、いまの時節に涼しげ。
こう暑いとですね…..
見返しの紙銘柄:STカバーの群青色に涼しさを
感じてしまいました。選んで良かったと思いました。
K様、有難うございます。
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上にもありますが、
実証的エビデンスに基づいた、
患者のレジリエンスを育てる治療を目指す
支援者の羅針盤となる一冊。
是非、関係者、そして多くの方たちに届かれることを
願っております。よろしくお願いいたします。
7.25頃発売予定
装丁担当