青弓社様の新刊単行本。
近代日本でジャズがどう受容されたのかを、
多くの資料から掘り起こして明らかにする歴史読み物です。
以下、本の内容紹介より引用、
いまでこそ大人の音楽として親しまれるジャズは、
大正末期から戦前・戦中に若者を中心に一大センセーションを巻き起こした。
その熱狂の理由は何だったのか。
外国人によるショーや音楽会、
外国映画など様々な場で人々はジャズと出合い、
軽快で特徴があるリズムのとりこになった。
識者やマスメディアからは「低俗」と評価されたジャズだが、
ダンスホール、レビュー、演芸などの大衆文化に溶け込み、
さらにレコードやラジオなどのメディアを通じて自由でモダンな空気、
新鮮な響きや刺激を人々に与え続けた。
そして、戦時下には戦局の悪化とともに
自由主義の象徴として排撃の対象になったが、敗戦をへて、
ロックミュージックの登場によってジャズは
「大人の音楽」に位置づけられていった。
演奏者や歌い手、楽曲を中心に語られたこれまでのジャズ史からは距離を取り、
「人々はどう受け入れたのか」「なぜ熱狂したのか」という視点から
ジャズ受容を問い直して、当時の人々にとってジャズが
いかに魅力的な音楽だったかを照らし出す。
ここまで。
装丁に関して、編集様からは
現代のジャズがもつムーディーな(シックな)イメージではなく、
大正・昭和期の「モダンで勢いがある音楽ジャンルとしてのジャズ」
というイメージが伝わるよう、動きがあるデザインが希望。
とのことでした。
当時のジャズ関係ポスターなど資料をご提供いただき、
参考にし、本書にふさわしい『醸し出す雰囲気』
これを大事にデザインしたつもりです。
今回は(も?)デザインについて自ら解説すると
あまり粋でない^ ^ので、この辺に留めておきます。
文章は読みやすくモノクロ図版も多く所収されています。
ご興味ある方、ぜひぜひ手に取ってご覧下さい!
8.25頃発売予定
装丁担当