岩崎学術出版社様の新刊単行本です。
A5判、298頁、上製造本
スティーブン・ブリッグズ、アレッサンドラ・レマ、ウィリアム・クラウチ 編
髙野 晶先生 訳の本。
編集者・H様との仕事です。
岩崎学術出版社様との仕事_1
岩崎学術出版社様との仕事_2
岩崎学術出版社様との仕事_3
以下、本の内容紹介より引用
自殺対策は総力戦である。多領域からのアプローチが重ねられ,
年間の統計的な自殺者は3万人を切るようになった。
精神分析領域からは具体的な参戦がどのようにできるのだろうか。
精神分析は知ること理解することを基本とし,根幹としている。
理解の準拠枠を持つことは,対応の構え方の足場となり,
臨床場面での理解や具体的な対応や予測に繋がる。
他の専門領域の知とともに,
精神分析の知が自殺の臨床に生かされることを願う。
ここまで。
精神分析のアンソロジーの翻訳本。
副題にある、「ポストベンション」とは、自殺企図の後のケアによって
次なる悲劇を防ぐと言った意味で
「予防(プリベンション)」と対をなす造語とのことです。
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装丁に関して、H様からは、
精神分析本ということで、それなりの重厚さは必要かと思いますが
一方でノンフィクションではなく治療者(医師や心理士)のための
学術的な専門書ですので、あくまで冷静かつシンプルに
しかしどこかで希望や救いを感じさせてくれるとよいなと。
とご要望をいただきました。
本書は扱うテーマが深刻、
書名もかなりセンシティブです。
ということで最終的に採用となったデザインが
上画像の装丁ですが、地に敷いてある画像は、
空と雲に見えますが、
水面と細かな泡にも見える写真です。
明るすぎず暗すぎずの階調で仕上げはマットPP加工に。
また、本書は帯付きではないため、今回、
左下部に書名を折り、とともに原書英語を配置してあります。
これもあまり多くを語ると無粋になってしまうので
それ以上は止めておきます。
今回の仕事は、言葉にしてしまうと
なんだか良さが失われてしまいそうなデザインで
ご覧くださいとしか言えないのですが、
希望や救いを少しでも感じて頂けたら嬉しいなという思いです。
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重いですが社会的な関心も強いテーマですので
幅広い読者に届けばと思っております(編集様のお言葉)。
同感です。何卒よろしくお願いいたします。
2.17頃発売予定
装丁担当