青弓社様の新刊単行本です。

本文292頁、四六判、上製造本。

 

以下、本の内容紹介より引用、
 

戦前にはプロレタリア文学運動に身を投じ、
共産党員や政治家としても活躍した作家・中野重治。
中野の著作は、天皇制との闘争や転向など、共産主義運動との関連で批評されてきたが、
中野が敗戦後から晩年まで取り組んだ朝鮮問題の実態や全体像は語られてこなかった。

 

中野が書いた戦後のテクストにおける朝鮮や在日朝鮮人の言説を丹念に読み込み、
安保闘争や浅間山荘事件、東西冷戦などの社会的な事件・状況を踏まえながら、
彼の朝鮮認識の変容と実像を明らかにする。

 

植民地主義やナショナリズム、転向、親日/反日、民族的連帯など、
朝鮮や在日朝鮮人をめぐる諸問題に誠実に向き合い、
それまでにない連帯のありようを模索した
中野の思想的・政治的な実践が示す可能性を浮かび上がらせる。

 

ここまで。

 

装丁に関しては、
中野重治を扱った類書との兼ね合いを考えて、
写真やテクスチャを全面に引いて印象に残るカバーにしたい
と編集様にリクエストをいただきました。

 
今回のバック敷きの画像。
朝鮮問題テーマにはリンクしてますが、
直接的に本の内容と関係したものではありません。

 
ビジュアルを用いる時は説明的になった方が適したケースと、
そうでない方が本の内容、読者と程よい間ができ魅力的なデザインになるケース、
大きくは2通りあるかなと思ってます。
 

紙資材はカバー:ミセスB-FにマットPP加工、
そして表紙、見返しともにOKミューズコットン

 
↓表紙と見返し。同銘柄の色変化で。

 
作家・政治家の中野重治が戦後、朝鮮をめぐる問題や
在日朝鮮人との連帯について取り組んだ営みを、
小説と社会状況を交差させながら論じる評論書、
この本が多くの方の手に渡ることを願っております。

 
ご高覧いただけたら嬉しいです!

 
12.28頃発売予定
装丁担当