【思い出の装丁_23】でございます。
 
 
今回の本は、
刑務所図書館の人びと ハーバードを出て司書になった男の日記 
柏書房刊 2011年

四六判、上製、533頁(!)

です。
結講最近の仕事と捉えていたのですが
10年以上前の本で軽いショックを受けました…^^;
時が過ぎるのは早いです。

 

この本、
ユダヤ教徒の家庭に生まれ、ハーバード大を卒業、
卒業後は図書館の司書として就職した著者の回想録。
ノンフィクションのような、小説のような、自伝のような…
不思議な作品と、訳者の金原先生があとがきで述べられてます。

 

ストーリーは、

大学は出たけれど、進むべき方向を見失っていたアヴィ。
偶然手にした求人広告を見て、刑務所で働くことに。
犯罪者といっても、人間味あふれる彼らにしだいに心を動かされていく。

看守と受刑者、いったいどちらが正当なのか…
悩みながらも奮闘する、ひとりの青年の実録。

となっております。

 


 

目次など本文デザイン関係は、
気持ち文字小さめサイズにしてキュッ!と締まった感じにしてます。
ビジネス書とはまた少し違う属性の
本好きが読む書籍として。

 
付き物の装丁関係は、
カバー配置の図書館写真を探すのに結講時間をかけました。
図書館の画像はたくさんあるのですが、
(自分の思い描く)独特の雰囲気があって
画角がイメージ通りでないとというところで。
 

そのカバー、帯に使用している書体は、
いずれもデジタルフォントではありますが、
写植(秀英明、かな民ゴシなど)を意識した書体を
選んでおります。
 

ノスタルジー感が出ると
デザインが定着していくイメージがあります。
(思いっきり主観)

 
 
↓目次背景に本の舞台であるボストン地図をフィルター処理して
半調で配置(作成のOさん有り難う!)

担当編集者のYさんはデザイナーの意見を尊重されつつ
うまく舵取りをされながら本完成まで進行される方で
この後何冊かお仕事ご一緒させて頂きましたが
氏から学んだ事も大変多かったです。
 

そういう出会い…
何十人もの方々と何度も関わらせていただくなかで
影響を受け、もしかしたら少しは
成長できているのかもしれないなと近頃よく思います。
有り難い限りでございます。
 

紙資材は、
カバー:ミセスB-FSC認証にグロスニス引き、
帯:OKミューズガリバーリラにグロスニス引き、
表紙:TS-1、見返し:NTラシャ、別丁扉:アラベール